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選択的夫婦、別姓制度は是か非か|賛成派 サイボウズ社長 青野慶久

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あおの・よしひさ 1971年生まれ。松下電工(現パナソニック)を経て、97年サイボウズ設立。2005年から現職。戸籍名は西端慶久で、青野は通称。2男1女の父。(写真:サイボウズ)

「別姓なら精神的・経済的負荷がない」

──これまで選択的夫婦別姓制度の導入に向けて、さまざまな活動をしてきました。

私が日本人同士の結婚で夫婦が同姓か別姓かを選べない今の戸籍法に対する訴訟を起こしたのは2018年。当時メディアは大きく取り上げたが、耳を傾ける政治家はほとんどいなかった。だが、19年の参議院選挙のとき、自民党以外の政党は選択的夫婦別姓に賛成していることが明らかになった。ようやく導入に向けた議論が高まる中、「勝った」という気持ちでゴールが見えてきた状況だ。

──具体的に現在の制度の問題点はどこにあると考えますか。

現行制度は“強制的”夫婦同姓といえる。私が望む選択的は、結婚して名字を変えたい人はぜひ変えてください、変えたくない人は元の姓でいいというもの。

改姓を強いられることには精神的・経済的に2つの負荷がある。精神的な負荷は、生まれた頃から使ってきた愛着ある姓を、結婚を機に変更する心理的負担。経済的な負荷は、戸籍からパスポート、銀行口座まで、姓の変更手続きに伴う無駄な作業の発生だ。

私の戸籍名は青野でなく西端で、01年の結婚時に妻の姓を選択した。通称である「青野」と、法的に有効な「西端」という本名を使い分けることで、二重に管理する手間がかかっている。給与明細は西端でもらい、重要な契約書は西端の名前でサインし、海外のホテルには西端でなければ宿泊できない。本名を変えず、結婚できるようになれば、すべてが丸く収まる。

──通称と本名を使うことでほかに日常生活に支障はありますか。

私は常日頃ハンコは青野と西端の2つを持ち歩く。それが日々のストレス。どちらでサインし押印すればよいかつねに考えている。そんなのささいなことだと言う人もいるが、それならあなたが負担してと言いたい。経営者だけでなく一般社員も同様だ。保育園に通う子どもが熱を出して、会社に電話があったとする。「西端君のお父さん」と言われ、周りはすぐに対応できるだろうか? 私のように通称も本名も知られている人は少数だ。通称と本名を使うことでコストとリスクが生じる。

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