コロナ禍でデジタル化が加速する中、人工知能(AI)アルゴリズムによるバイアス(偏見)や差別への懸念が高まっている。例えば、求人・採用でAIを使う際には、多様性確保よりも選別や分類に長けたAIの習性という問題が浮上する。
米ミシガン工科大学のステフカ・フリストバ准教授は、こうしたアルゴリズムの特徴を「唯物論的均一性」と呼ぶ。アルゴリズムの文化による社会の変容を分析した学術書『Algorithmic Culture』(未邦訳)の首席編集者・共同執筆者でもある彼女によれば、AIは中立的だとされているが実際には偏見がつきものだ。
今年4月、米・南カリフォルニア大学のアレクサンドラ・コロロワ助教らが発表した研究結果によると、米フェイスブック(FB)の求人広告アルゴリズムには、性差による「歪み」が見られた。
米ドミノ・ピザと米食品宅配大手インスタカートとでは、ドライバーという同一職種にもかかわらず、男性ドライバー比率が高いドミノの求人広告は男性に、女性ドライバーが多いインスタカートは女性に多く配信された。米動画配信ネットフリックスと米半導体エヌビディアのエンジニアという、高スキル職種でも同様だった。テクノロジー関連の仕事に就いている女性の割合がエヌビディアより高いネットフリックスの求人広告は女性に、エヌビディアは男性に多く表示された。いずれも、広告主は幅広い層への配信を望んでいた。
FB広報担当者は筆者の取材に対し、「当社は、広告の差別問題に対処すべく大きな一歩を踏み出し、公正さを考えるチームも設けている。公民権コミュニティーや規制当局、研究者らと密接に連携し、こうした重要な問題に取り組んでいる」と、書面で回答した。だが、コロロワ助教らの2019年4月発表の共同研究でも、FBの住宅広告配信が人種・ジェンダー的歪みを生み、差別的結果を招く可能性が指摘されている。
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