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「取りあえずの終着点」 日銀緩和の正常化

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東京財団政策研究所上席研究員 早川英男(はやかわ・ひでお)1954年生まれ、愛知県出身。東京大学経済学部卒。米プリンストン大学経済学大学院にて修士号取得。77年日本銀行に入行後、長年にわたって主に経済調査に携わる。調査統計局長、名古屋支店長、理事などを歴任し、2020年4月から現職。著書に『金融政策の「誤解」』。(撮影:梅谷秀司)

日本銀行がアベノミクスの下、大規模金融緩和を開始してから今月で8年になる。これに先立ち3月に、日銀は2016年9月の「総括的検証」以来となる金融緩和の「点検」を行った。結局、黒田東彦総裁が当初約束した2年をはるかに上回る時日を経ても2%の物価目標は達成できなかったわけだが、この間は総括的検証までの3年半とその後の4年半に分けて考えることができる。

前半は、日銀が強い姿勢を示せば物価目標を達成できるという信念に基づいて量的緩和、その拡大、マイナス金利の導入といった実験を繰り返した時期だ。だが、時が経つにつれ、日銀内でも疑念が膨らんでいったのだろう。

まず、中央銀行のコミットメントだけでインフレ期待は動かないことが確認され、日銀は「インフレ期待は適合的」だと認めた。金融緩和は持久戦を覚悟せざるをえないが、そうなると政府による新規国債発行額の2倍を上回る年80兆円の国債を買い続ける政策は持続不能となる。また、大量の国債購入やマイナス金利の副作用も明らかになっていった。

総括的検証以降の後半では、持久戦の体制を整え、副作用を軽減することが目指された。いわば正常化路線だが、従来の政策の誤りは認めなかったため、「ステルス正常化」などと呼ばれた。

総括的検証を踏まえてイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)が導入され、政策手段が量から長期金利に変更されたことで、国債購入額は大幅に減った。昨年3月の金融市場混乱期に日銀は国債購入額を青天井としたが、実際の購入額は年20兆円台にすぎない。

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