菅政権は、2月に「孤独・孤立担当相」の新設を発表した。孤独・孤立対策に関わる大臣の創設は、2018年の英国に続いて、世界で2例目になるという。
新設の背景には、コロナ禍が長期化する中で人と人とのつながりを保つのが難しくなり、生きづらさを感じる人が増えていることがある。社会的に孤立する人の増加は地縁、血縁、社縁といった共同体機能が脆弱化する中でかねて指摘されてきた問題だが、コロナ禍によって一層深刻になっている。
国際的には、日本は孤立する人の比率が高い国とみられる。05年のOECD(経済協力開発機構)調査によれば、日本は、「友人・同僚・その他の人」など家族以外の人との交流が「まったくない」あるいは「ほとんどない」と回答した人の割合が15%に上る。20カ国の中で最も高い比率だ。
また、世帯類型別に孤立状況をみると、介護や看病について「頼れる人がいない」と回答した人の比率は、高齢の単身男女、現役世代の単身男性、ひとり親世帯で高く、4割以上に上る。また、会話頻度をみると、「2週間に1回以下」しか会話をしていない人が、高齢単身男性で15%、現役世代の単身男性で8%いる(国立社会保障・人口問題研究所「2017年生活と支え合いに関する調査」)。
では、他者との関係性が乏しいことは、何が問題なのか。
第1に、緊急時や日常生活において、必要な支援を受けることが難しくなる点である。病気になったとき、頼れる家族や友人がいなければ、看病や病院同行など必要な支援を受けにくい。
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