2020年はパンデミック(感染症の世界的流行)の年だった。そう聞いて後世の日本人は戸惑うのではないか。パンデミックが怖いのは多くの死者を出すからだが、日本では高齢化が進んでいるにもかかわらず、20年の死者総数が19年よりも減少したのだ。
厚生労働省の人口動態統計速報によれば、20年の死者は0.7%減の138.4万人で、減少は11年ぶり。死因別の直近データは11月までだが、首位は腫瘍の35.7万人で、例年と変わらない。
新型コロナによる死者数は今年4月3日時点で9218人。昨年6月18日から検査陽性者の死は医師の確定を待たずに新型コロナによる死と報告されており、過大計上も指摘される。他方でインフルエンザと新型コロナ以外の肺炎による死者数は11月までで前年比1.8万人減少の7.2万人で、総合すると日本の感染症対策は期待以上の効果を上げたといえる。
ところが、こうしたデータは国会で完全に無視され、新型コロナへの対策をより軽くして国民の日常生活を取り戻そうという議論は見られない。野党も医療関係者も国民活動の縮小ばかりを要求する。安易に「ゼロコロナ」を掲げること自体、信頼に値しない。
特定のリスクをゼロにすることにこだわった結果、全体としてのリスクやコストが増大し、ベネフィットが失われる「ゼロリスクバイアス」が日本を覆っている。
緊急事態宣言は1月に再発出され、2度延長。さらに、「まん延防止等重点措置」が設けられ、ステージ2、3でも飲食店などへの規制が可能になった。過料こそ30万円から20万円へと下がったが、規制に従わない業者は少なく実質は緊急事態宣言と変わらない。現在6都市に適用されているが、さらに広がる可能性がある。
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