有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ニュースの核心

北朝鮮の「東京五輪不参加」の怪しさ 日本政府は経済制裁の2年延長を決定

4分で読める 会員登録で読める

東京五輪への不参加を発表した北朝鮮の決定には、いくつもの疑問符がつく。4月6日に北朝鮮のウェブサイト「朝鮮体育」に、北朝鮮オリンピック委員会が3月25日の総会で「新型コロナウイルス感染症による世界的な保健危機状況から選手を保護するため」五輪に参加しないことを決めたと、5日付で掲載された。

新型コロナウイルス感染者ゼロを公言する北朝鮮が、選手の安全を守るという理由は確かなものに聞こえる。ただ、発表の経緯を考えると、ほかの理由が浮かんでくる。3月25日の総会での決定事項を1週間以上経った6日に発表し、しかも5日付とした理由は何か。

日本政府は4月6日に、北朝鮮への経済制裁を2年延長することを決定した。これは、延長するとの方針が数週間前から報道されていたので、当然、北朝鮮側も知っていたはずだ。ただ「5日付」としたのは、露骨な当て付けとされるのを避ける意図だろう。

次に、韓国に向けたメッセージでもあるようだ。これまで韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は「東京五輪に北朝鮮を参加させ、平和の祭典にしたい」という意思を何回も表明してきた。背景には2018年の韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪に北朝鮮が参加したことで一気に南北和解の機運が盛り上がり、3回にわたる南北首脳会談や米朝首脳会談へと続いたことがある。文政権は、再び訪れた五輪というチャンスをテコに南北和解を図りたいと考えている。

しかし、18年の和解ムードは、19年2月に米朝首脳会談が決裂して以降、冷却したままだ。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記も、何ら成果を得られなかったことに強い衝撃を受け、米国や韓国に対しもはや期待をしなくなったと聞く。

とくに文政権に対しては、首脳会談での合意を何ら実行していないため、相当な不信感を持ったままだ。ここで東京五輪への不参加を表明することで、韓国に対する不満を改めてぶつけたということも十分にありえる。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数