東芝の経営がまたしても混迷している。4月に入って英投資ファンドから買収提案を受けていることが発覚。その1週間後には車谷暢昭社長が辞任した。事実上の解任である。
3年ぶりのドタバタ劇に、東芝は日本のコーポレートガバナンスの悪い見本であるとの思いを強くした。立派な社外取締役を集めても、外部からの経営者に託しても、形だけでは経営はよくならないと示してくれる。
今回の辞任劇は、アクティビスト(モノ言う株主)のファンドとの対立が激化する中で、車谷氏が従業員からの支持も失ったことが背景にある。求心力の回復に古巣のファンドによる東芝買収案を持ち込んだことで、指名委員会委員長でもある永山治取締役会議長(中外製薬名誉会長)の怒りを買った。
因果応報──。2015年に不正会計が発覚した東芝は、米原子力事業の巨額損失で17年3月期の株主資本が5529億円のマイナス(債務超過)に陥った。上場廃止の危機を脱するために行ったのが、17年12月の6000億円の第三者割当増資である。
この増資で東芝は18年3月末の債務超過を免れた。リスクを取って新株を引き受けたのは海外に籍を置く投資ファンドだ。一部ファンドが株式を保有し続けたこともあり、現在の東芝の外国人持ち株比率は約6割。口うるさい彼らとの関係に悩まされた車谷氏がファンドによる買収での非上場化を画策したのだから皮肉なものだ。
何のための上場か
3年前に車谷氏が辞めたファンドからの買収提案は、本来なら利益相反に該当しない。とはいえ、上場廃止を何とか回避し、債務超過で2部に落ちていた東芝は東京証券取引所のルール変更で今年1月に1部復帰したばかり。保身のため上場を捨て去る(ように見える)行為に批判が集まった。
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