JR東海道線の茅ヶ崎駅で流れる発車メロディーは、サザンオールスターズの名曲『希望の轍(わだち)』。これを聞いて、茅ヶ崎が、サザンオールスターズのボーカル・桑田佳祐氏の故郷であることを思い出す人は多いだろう。
この曲に茅ヶ崎を想起させるフレーズは実は少ないが、サビでは「遠く遠く離れゆくエボシライン」と歌われる。茅ヶ崎の沖には、えぼし岩と呼ばれる岩があり、歌詞の「エボシライン」は、これを望み茅ヶ崎の海沿いを東西に走る国道134号を指すようだ。
海のイメージがあまりに強いので、茅ヶ崎駅を出るとすぐにビーチが現れると思われがちだが、駅から海岸までは直線距離で1.5キロメートルほど。高揚した気分でビーチに向かっても、徒歩20分程度かかってしまう。だが茅ヶ崎を満喫しようと思うなら、バスには乗らず海まで歩くのがお勧めだ。
まず、駅の南口正面にあるのは、雄三通り。今はマンションになっているが、歌手で俳優の加山雄三氏の育った家があったことに由来する。この通りを真っすぐ南下するのが海への近道だ。サザン通りと間違える人が多いが、サザン通りは、駅を出て西側に比較的新しくできた通りだ。
湘南の海の香りを楽しむなら、ラチエン通りが最適だろう。茅ヶ崎に住み、この地をこよなく愛したドイツ人ルドルフ・ラチエンにちなむ通りで、サザンオールスターズの『ラチエン通りのシスター』にも登場する。通り沿いにあった開高健の邸宅は、現在、記念館として保存されている。この通りを南下すると、えぼし岩がよく見える格好の撮影スポットに至る。
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