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民主党の牙城・加州の現実 「新たな封建制」の到来か

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  • 会田 弘継 ジャーナリスト・思想史家
リベラル州であるカリフォルニアでも格差は深刻。写真はロサンゼルスでの黒人差別反対のデモ(AFP/アフロ)

米国は「新たな封建制」に向かっている。都市問題研究者の衝撃的な分析が注目されている。米大統領選挙の行方、そしてその先の米国を見通すうえで示唆に富む議論だ。先進国の民主主義の危機を訴えている点でも、傾聴に値する。

かつてニューヨーク・タイムズ紙に連載コラムも持ったジョエル・コトキンは、このほど『新封建時代の到来』(未訳)を出版、さらに論壇誌や主要紙への寄稿で、深刻化する経済格差と階層の固定化が、米国をはじめ主要先進国を「封建制」に向かわせていると警鐘を鳴らしている。

注目すべき点は、米国で最も進歩的と見なされ、民主党リベラルの牙城であるカリフォルニア州、その中でも極めて先進的なサンフランシスコ一帯で封建化が著しいとみていることだ。そのためか保守系論壇誌に競って取り上げられている。ただ、コトキンは戦後米国の代表的社会主義者マイケル・ハリントンの門下生を自認し、トランプ大統領にも批判的だが、民主党進歩派にはさらに厳しい。

確かにサンフランシスコ一帯の格差は異様だ。新型コロナ禍で、それはさらに深刻化している。GAFAなど巨大企業を含むIT産業が生み出す億万長者は、カリフォルニア州の、とくにこの一帯に集中し、約7万6000人が住むとされる(2015年)。その下で働く専門職の富裕層がいるが、あとは「ギグ」と呼ばれる不安定な雇用の就業者ばかりで、一帯の住民の3割が、何らかの生活支援に依存する状態にあるという。中間層が消失してしまっている。

不動産価格の高騰で中間層は家を持てず、また家賃も高くて借りられない。進歩的政策による高い税率や各種規制強化で、中間層を雇用する製造業などは州外あるいは国外に移転し、そこで働いていた人々も逃げ出した。残ったサービス産業で不安定な職に就く貧困階級は、車の中で暮らすなどホームレス化が進んでいる。

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