いつものドタバタ劇だった。トランプ政権が、オンラインでしか授業を開かない大学の留学生に対して学生ビザを取り消すという方針を突然発表し、わずか1週間後にこれを撤回したのだ。留学生や全米の大学を混乱に陥れた揚げ句に、何もなかったかのように取り消す。この政権では本当によく見られる事態だ。
国土安全保障省傘下の米移民・関税執行局(ICE)が方針を発表したのは7月6日。秋学期にキャンパスに登校しないのならば、留学生のビザを取り消し入国も認めないとした。この方針に対し、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)がわずか2日後に提訴し、全米の17州とコロンビア特別区も同調した。全米200校以上の大学に加え、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックなどのテクノロジー企業や商工会議所、労働組合、地元政府などが訴えへの支持を表明。原告は「連邦レベルの正式な手続きを踏んでいない」ことを理由とした。
そもそも同方針について、トランプ政権は発表時に導入の理由を明らかにしていなかった。訴訟を受けて政権側は、「留学生がどこにいるかわからないのはセキュリティー上のリスクになる」などと答えていた。
トランプ政権は、経済復興を目指して秋学期からの全面再開を求めている。学校関係者や感染予防専門家らが反対する中、これに従わない学校には補助金取り消しもちらつかせて圧力をかけていた。同方針を打ち出したことで、再開させるために、補助金に加えて留学生ビザも“人質”に取ったものとみられている。また外国人留学生を排斥することで、卒業後の米国人学生の雇用を確保できることなどが背後にあるとも推察される。
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