有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ニュースの核心

コロナ禍で苦しむ診療所に十分な支援を レセプトの総点数が前年同期比で16.4%減少

4分で読める 会員登録で読める

新型コロナウイルス感染を恐れて患者が医療機関の受診を控える動きが、地域医療の担い手である診療所の経営に深刻なダメージを与えている。

日本医師会が7月22日に発表した調査結果によれば、2020年3〜5月の診療所のレセプト(診療報酬明細書)の総点数(入院分を含まず)は、前年同期比で16.4%も減少した。とくに深刻なのが小児科や耳鼻咽喉科で、それぞれ35.8%減、33.5%減となった。

医療現場からは悲鳴が上がる。

政府の緊急事態宣言が解除された翌日の5月26日、「来院したのは予防接種の子ども2人だけで、保険診療の患者は1人も来なかった。独立開業して12年になるが、こんな経験は初めて」と振り返るのは、東京・文京区にある細部小児科クリニックの細部千晴院長。

クリニックの収入状況を調べてみたところ、4月、5月、6月の保険診療収入はそれぞれ前年同月比59%減、69%減、43%減。自身の給与は3月から7割減、6月以降は無給を強いられている。

患者が激減した理由について細部院長は、「保育園の休園によって風邪をひく子どもが激減したことに加え、風邪症状があっても感染を恐れて来院を控える親が多いためだ」と説明する。院内では換気や消毒、患者が密にならないことを含めて感染防止対策を徹底しているが、いったん減った患者数は元に戻らない。4月には予防接種件数も4割以上減ったという。

長期処方で受診が急減

内科でも受診抑制は深刻だ。東京保険医協会が実施した会員向けアンケート調査結果によれば、6月上旬の保険診療収入について「3割減った」と回答した内科診療所が31%に達した。「4割減った」「5割減った」を合わせると、5割以上に上っている。

収入減少の要因について、よしだ内科クリニック(東京・練馬区)の吉田章院長は、「通院の回数を少なくしようとして長期処方を求める患者が増えたのが大きい」と指摘する。吉田院長の診療所では、高血圧症や糖尿病など慢性疾患の高齢患者が多く、2週間または1カ月ごとの通院が基本だ。しかし、新型コロナウイルスの感染が急拡大した3月中旬以降、長期処方を求める患者が急増。「1カ月を超える処方が4割を占めるに至った」(吉田院長)。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数