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コロナ禍で見えた新しい暮らし方 図らずも実行された壮大な社会実験

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柳川範之 東京大学大学院教授(やながわ・のりゆき)1963年生まれ。慶応大学通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。東京大学助教授などを経て2011年から現職。主著に『法と企業行動の経済分析』『独学という道もある』など。(撮影:今井康一)

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、多くの人が在宅でのテレワークを経験している。図らずも実行された壮大な社会実験だ。その結果、やれば意外とできるものだという認識を多くの人が持ったのは、かなりの成果だったといえるだろう。一方で、在宅勤務を続けるうえでの課題が見えてきたのも事実だった。

その1つは、実際に会わないと進めにくい仕事があると認識されたことだ。そしてもう1つ、住環境の問題が、とくに都市部ではクローズアップされた。

そもそも通勤時間節約のために「寝る場所さえあれば」と考えていた部屋に、家族全員が一日中いることの不便さ。それぞれが在宅勤務したりオンライン授業を受けたりするのに十分なスペースがない。オンライン会議中に子どもが走り回ってしまうなどの問題を感じ、こんな生活が長く続くのであれば、郊外や地方に引っ越して、より広々とした住環境の中で、仕事や子育てをしたい。そう考えた人は少なくなかった。

この点は見えてきた課題ではあるが、実はもう一歩進めて考えると、明るい未来像も見えてくる。

なぜなら、感染防止のために強制されているか否かにかかわらず、オンラインで仕事ができるのであれば、もっと住環境のよい郊外や地方に住みながら仕事ができることを意味しているからだ。

もしも実際に会う必要が部分的にあるのだとしたら、例えば1週間に1日、あるいは1カ月に数日は都市部に仕事をしに行けばよい。それ以外の大部分はテレワークとし、より豊かな自然と住環境の中で仕事をする。そういう新しい暮らしの選択肢が見えてきたのだ。

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