政府の緊急事態宣言が解除され、日常が戻り始めたが、新型コロナウイルスとの闘いはまだまだ続くだろう。やや気が早いが、コロナ後の世界で何が中心的な問題になるのか、歴史を振り返りながら思いを巡らしてみたい。
19世紀後半に始まった第1次グローバル化は、2つの世界大戦と大恐慌を機に終焉を迎えた。ブロック化の下で世界貿易が縮小する一方、一国経済の中での国家の役割は飛躍的に高まったのである。
第2次大戦が終わった後も、経済社会における国家の役割が大きく低下することはなかった。ケインズ主義的なマクロ安定化政策が試みられ、累進課税による所得分配の平等化、社会保障の充実などが追求された。福祉国家、混合経済の時代である。このころも、自由化・国際化がうたわれていたが、自由化は漸進的なものであり、ブレトンウッズ体制下の国際化はコントロールされたものだった。
しかし、1980年ごろを境に流れは変わる。サッチャー・レーガン革命により、「小さな政府」の追求が始まり、ケインズ政策は時代遅れとみられるようになった。さらに冷戦が終わると同時に、経済のグローバル化が一気に加速した。政府による市場への介入を最小化するハイパー資本主義と、国境を越えたヒト・モノ・カネの移動を最大化するハイパーグローバル化の時代である。
この時代は、中国を先頭とした新興国の経済成長などの成果を上げたが、その一方でいくつかの副作用も生み出すこととなった。資本移動の自由化で企業や富裕層への課税が困難になり、格差拡大につながった。自由放任市場は、時に金融バブルの暴走を招き、経済の不安定化をもたらした。
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