緊急事態宣言は残る8都道府県も5月中に解除が判断されそうだ。ワクチンや特効薬ができるまでは、新型コロナウイルスに付き合わざるをえない。最近気になるのは、「かつてない危機」といったフレーズが繰り返され、不安とストレスが広がると、極端な解決策を志向しがちになることだ。
例えば、ネット上には「ロックダウンをしていない日本は危うい」という主旨のコメントがあふれている。感染が広がり始めた3月から2カ月が経っても、日本は欧米と比べて人口対比の死者数が2桁少ないにもかかわらずだ。
ロックダウンをした海外の都市では人けの少ない街で銃を携えた警察官の姿が目立ち、ごく普通の人々が外出禁止令に抗議したとして逮捕されている。冷静に考えれば、自由と民主主義の国にあっては決して望ましいことではない。
日本は新型コロナの感染検査数が少なく、水面下で感染が広がっているとの見方もあるが、一方で検査やロックダウンと感染抑制との因果関係は立証されていない。
管理国家を求めるのか
検査といえば、驚いたのが一部の経済学者たちによる提言である。国民全員を対象に新型コロナに感染しているかどうかのPCR検査を行い、「陽性であれば隔離・治療へ」「継続的な陰性は社会活動・経済活動へ」と主張している。
自由や民主主義を前提にしている人たちが、「全員検査」「隔離」などという文言をあまりにもあっさりと書いていることに驚く。個人の意思や選択権などないか、あっても簡単に従わせられるという傲慢な前提が置かれているのだ。英米の提言に依拠した権威づけも目立つ。
PCR検査は偽陽性や偽陰性など結果の扱いの難しい面が指摘されている。まして、「陽性」は発病ではない。提言には、歴史的に、国家による「隔離」が数々の悲劇を生んできたことへの配慮もない。
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