新型コロナウイルスに対処するための緊急事態宣言が5月末まで延長された。新型コロナとの戦いは流行の第2波、第3波まで想定すれば、かなりの長期間に及ぶだろう。しかし経済活動は段階的に再開されるはずだ。
多くの読者にとって切実なのは、「在宅勤務が原則」という事態が終わった「ポスト在宅勤務」期に、日本の企業社会で何が起きるのか、だろう。大企業のうち早いところでは2月下旬から在宅勤務が基本になった。テレワークは非常時の手段という域を超え、恒常的な働き方として定着するかもしれない。
企業の中間管理職からは、毎日部下に何をさせるかを検討し指示するのが大変だという声が上がる。「職場なら一瞬で伝えられるのに、メールだと数十倍の手間がかかる」といった具合だ。同時に、毎日出社することへの疑問や本社機能の肥大化への反省もよく聞く。
一方でこうした一連のプロセスは企業にとっては得がたい機会となった。これまで日本企業は従業員に何をさせたいのか、その職務を明確にするジョブディスクリプションが苦手だとされてきた。しかし、この在宅勤務期間中にそれがかなり進み、仕事を切り分けるための情報が蓄積されたはずだ。
その結果、「出社してやらなければならない仕事」とそれ以外のことの仕分けが進むだろう。また、正社員でないと、日本にいないと任せられないなどという領域は小さくなっていくのではないか。
ジュネーブ高等国際問題・開発研究所のリチャード・ボールドウィン教授は近著『グロボティクス』で、デジタル技術の発達によって新興国に住む専門職が先進国の企業の仕事を格安で請け負うことが大規模に行われると予測した。こうした「遠隔移民」へのアウトソーシングにより、先進国のホワイトカラーの仕事は大量に奪われる。
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