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大統領が招いたコロナ危機、米国が直面する2つの爆弾 本気で立ち向かわなければ危機から抜け出せない

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トランプ大統領の医療軽視と責任転嫁で、コロナをめぐる米国の状況は悪化(AP/アフロ)

新型コロナウイルスで各国は医療と経済という2つの危機に同時にさらされている。政策の連携がうまくいっている国もある中、医療が政争の具になっているのが米国だ。このままだとウイルスの犠牲者はさらに増え、経済の回復も一段と難しくなる。

米政府にとって経済対策の決定はとくに難しい問題ではなかった。過去に例のない2兆ドルの大型経済対策も速やかに可決された。これには個人への現金給付や企業支援などが含まれる。もちろん与野党の溝は消えていないが、事態の緊急性に加えて、リーマンショック時の経験が立法を後押しした。

経済面で政策担当者が重視するポイントはおおかた一致する。連邦レベルで金融市場を支え、信用不安が広がらないようにすることだ。中小企業融資を拡大し、失業や給与の不払いを防ぐ必要もある。航空やホテルなど影響が直撃している業界への支援も欠かせない。

企業支援については法の運用で対立が再燃する可能性は残る。労働者重視を訴える民主党が、支援内容に議会のチェックを求めているからだ。トランプ氏はこれに反発している。同氏はまた、現金ばらまきを手柄にしようと、国民に送付される小切手に自らの署名を入れ込むべく画策を続けてもいる。

だが、公衆衛生対策をめぐる政治的分断は経済よりもひどい。トランプ氏が中国に滞在した外国人の入国を拒否する措置を講じたのは2月初旬。同氏はこれでコロナを封じ込められると信じていたフシがある。実際、2月終盤になっても「すごくうまくいっている」と楽観的な見通しを語っていた。感染者が15人しかいない点を引き合いに出し、「ウイルスは消えてなくなる」とまで予言したのだ。

逃げるトランプ

ところが3月下旬には米国の感染者数は世界最多となり、死者数も3000人を突破。医療崩壊が迫る中、貴重な時間を浪費したとして政権は激しい批判にさらされている。初動の不手際で民主党から集中砲火を受けたため、トランプ氏も対策を強めてはいる。ただ、各州の取り組みからは距離を置き、逃げを打っているのも事実だ。そしてトランプ氏に近い保守派メディアは民主党たたきに余念がない。トランプ氏の大統領再選を阻みたい民主党が、コロナ危機をあおり、経済を痛めつけているというのだ。ある調査によれば、コロナ問題が「誇張されている」と考える人の割合は、共和党支持者では民主党支持者の2倍に上る。

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