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ショックを危機に拡大させない工夫 資金繰りの一時的な悪化による破綻をいかに防ぐか

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柳川範之 東京大学大学院教授(やながわ・のりゆき)1963年生まれ。慶応大学通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。東京大学助教授などを経て2011年から現職。主著に『法と企業行動の経済分析』『独学という道もある』など。(撮影:今井康一)

新型コロナウイルスの感染が広がり、多くの国が対応に追われている。数カ月前には予想もしていなかった世界経済へのショックだ。

このような場合に、経済対策としてまず考えておくべきなのは、ショックをできるだけ一時的なものに抑え、持続的な影響のある危機に拡大させないための工夫だ。これは国の政策に加え、企業経営においても必要な視点だろう。

もちろん、ウイルス対策は健康や安全を第一に考える必要があり、純粋に経済面だけを取り出して考えることは難しいだろう。また、どう推移するかを見通せないという意味で不確実性も高い。しかし、やるべき対策はきちんと立てておくべきだ。そうでないと緊急のときに十分な身動きが取れない。

それでは、一時的なショックと持続的な影響のある危機との違いは何か。大きなポイントは連鎖による悪循環が生じるかどうかだ。

リーマンショックの場合も、不動産価格の暴落だけにとどまっていたならば大きな危機にならずに済んだかもしれない。しかし、サブプライムローン問題、リーマンブラザーズ破綻と影響が連鎖してしまい、世界全体が大きな悪循環に巻き込まれてしまった。

例えば、都市で大規模停電が生じることは大きなショックだが、それにとどまるなら、電気が通れば元の生活に戻すことが可能だ。

しかし、その停電によって冷蔵庫が止まり中の食品が腐ってしまえば、飲食店などはサービスを提供できなくなる。冷凍庫から溶け出した水に、重要な機械が運悪くつかってしまうと、食品製造にも影響が出てくる。これらの事態は、停電が収まっても影響が残ってしまうという意味で、ショックがショックでなくなる要因の1つだ。

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