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根拠を欠く人口政策、見直しが急務だ 現状を踏まえた分析による裏付けが必要

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大正大学地域創生学部教授 小峰隆夫(こみね・たかお)1947年生まれ。東京大学卒。経済企画庁経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て、2017年4月から現職。日本経済研究センター理事・研究顧問も務める。著書に『人口負荷社会』『日本経済論の罪と罰』『政権交代の経済学』など。(撮影:尾形文繁)

経済財政諮問会議は今年2月、「選択する未来2.0」委員会を設置し、2014年に示した人口政策などの進捗状況を検証して、今後の政策的対応の方向を議論しようとしている。筆者は、次のような点で人口政策の基本方向を再点検してほしいと思う。

1つは、人口1億人目標という無理筋の目標の見直しだ。14年の報告書では「(40年ごろまでに)希望どおりに9割の若者が結婚して2人超の子どもを産み育てる状況が実現したとすれば(中略)50年後の人口は1億人程度となり、その後人口の減少は収まると推計される」としている。

しかし、これは実証的根拠を欠き、楽観的すぎる。結婚したい人が結婚し、産みたいと考える人数の子供を産むという状況になったときに実現する出生率(合計特殊出生率、以下同じ)は「希望出生率」と呼ばれており、現状では1.8程度とされている。これは、現在の出生率(18年で1.42)を大きく上回り、人口規模を維持するために必要な出生率の置換水準(2.07程度)を大きく下回っている。

つまり、前回の報告書が掲げた人口についての見通しは、実現がかなり難しく、しかも実現したとしても人口1億人を維持することはできないというものなのだ。

もちろん、少子化対策は必要だ。しかしそれは、希望出生率を目指せばよいのであり、1億人という無理筋の目標に当てはめようとするのはいかがなものか。すべての人の希望が満たされてもなお人口が減るのであれば、人口減少と共存する道を選び、人口が減っても1人当たりの所得が増え、国民の福祉が損なわれないような政策を考えるべきではないか。

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