有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ニュースの核心

2020年代は長期的視野とバランス重視で 波乱の幕開けとなった2020年

3分で読める 会員登録で読める

米国とイランの間で緊張が高まり、いったん収束したかと思えば、新型肺炎の感染が急拡大、長期化の様相だ。2020年は波乱の幕開けとなったが、ここでは少し長期の課題を考えたい。

10年代は世界金融危機から回復していく過程だった。この間、先進国の潜在成長率やインフレ率は低下し「長期停滞」が問題視されるようになる一方、中国が世界経済の牽引役となり、米国と覇権を争うようになった。

この10年で多くの人が成長の限界や格差の拡大を意識するようになった。労働分配率の低下に伴い、かつては礼賛されたグローバリゼーションやITの発展について、「恩恵を受ける人は限られ、雇用や所得を奪われる敗者を増やしているのではないか」という主張が増えた。AIによる大量失業という未来図もちらつく。

ジュネーブ高等国際問題・開発研究所のリチャード・ボールドウィン教授は、近著『グロボティクス』で、グローバル化とロボット化によってスキルの高い人々が世界中で遠隔移民として働くようになり、途方もない不平等とその反動が起こると予測した。過去の技術革新とはスピードが異なり、雇用創出が追いつかないという。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、「人々の欲望には限りがなく、一時的なラグはあっても、代替された仕事を穴埋めする新たな仕事は生まれ続けるだろう」と大量失業の長期化には否定的だ。ただ、「所得格差はますます拡大する」とみる。

大きな技術革新の流れによって産業構造、ひいては社会構造が大きく変わるのに伴い、本源的な価値である自由と平等の間で、人々の要求が振り子のように動くのではないだろうか。公平を求める声に応じて、消費性向の高い層に所得を再分配すれば、長期的な成長余力も高まるし、社会も安定する。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数