「幸福で健康な人生には何が必要か」。米ハーバード大学が75年間にわたり724名の人生を記録した研究結果によると、それは富でも名声でもなく、家族、友人、コミュニティーとのつながりであるという(2015年11月TEDでのロバート・ウォールディンガー教授による講演)。
近年、日本では、生きづらさやさまざまな生活上のリスクを抱える個人や世帯が増えている。この背景には、地縁、血縁、社縁といった共同体機能が脆弱化する中で、社会的に孤立して、他者とのつながりが乏しい人が増えていることがあるのだろう。
例えば、孤立している単身高齢者は、電球の取り換えや病院通いといった身近な生活課題への対応が困難だ。同居家族がいれば対応できることが、孤立した単身高齢者には生活上のつまずきとなる。
また、「8050問題」といわれるように、80代の親が50代の子どもの生活を支える世帯は、貧困、介護、障害などの複合的な課題を抱えていることがある。世帯内での解決が難しいうえに、世帯自体が孤立していれば、外部に支援を求められない。さらに、孤立は生きる意欲や自己肯定感を低下させるといわれている。なぜなら、生きる意欲や自己肯定感は、他者を通じて得ることが多いからだ。
こうした中、厚生労働省の地域共生社会推進検討会は、昨年12月に「地域共生社会」の構築を唱え、市町村における包括的な支援体制などを提言した。いわば、人とのつながりを再構築して、支え合える地域を目指している。
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