英国の新首相にボリス・ジョンソンが就任し、同国の迷走はさらに悪化している。EU(欧州連合)からの合意なき離脱(ハード・ブレグジット)を強行する英保守党のジョンソンは9月3日、野党が提出した「EUからの離脱延期法案」を支持した保守党議員21人を除名したからだ。その結果、保守党の議席数は野党より40も少なくなった。合意なき離脱を強行するための解散総選挙も野党に阻まれ、膠着状況に陥っている。
グローバル化に反するブレグジットと、ジョンソンを応援してきたドナルド・トランプ米大統領は翌日の4日、「彼は私の友人だ。疑いなくやり遂げるだろう」とコメントした。さらにテレビで見たジョンソンの様子から、「ボリスはどうやれば勝てるのかを知っている。心配しなくてもいい」とも語っている。
そもそもトランプの強固な支持層は、グローバル経済や移民の流入に反発する人々だ。トランプのブレグジット支持は選挙中から一貫しており、トランプ当選により反グローバルという波が世界中に大きく広がった。
2016年の大統領選挙でトランプ陣営の選挙対策責任者を務めていたスティーブ・バノン前大統領首席戦略官は、英国民が国民投票でブレグジットを選択したニュースを見て、「これが時代精神だ。トランプは大統領選に勝てるかもしれない」と考えたらしい。ブレグジットをきっかけにグローバル化に反する時代の流れをとらえた時点では、バノンとトランプの読みは正しかった。
米景気にはマイナス
現在のトランプの最大の優先事項は、来年の大統領選での再選である。再選のためには強固な支持層も重要だが、米中貿易問題など反グローバル化で悪影響を受ける米国経済も大切だ。その点で英国の合意なき離脱は、世界経済にマイナスの効果はあってもプラスの要素は見つからない。
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