英国のEU(欧州連合)離脱の期限(10月31日)まで2カ月を切った現在、政治が揺れている。メイ首相の後を受けたボリス・ジョンソン新首相は、EU離脱の強硬派として知られるが、就任後の国会で早くも大きな壁に直面した。9月上旬に、下院は合意なき離脱を政府に許さない法案を可決。さらに、離脱時期を来年1月末に延期する動議も可決した。保守党からの造反者21人が賛成に回ったからである。
造反者は直ちに保守党から除名された。その結果、新政権は下院の多数派を維持できなくなった。
膠着の中で、首相は総選挙を10月15日に実施する動議を出したが否決された。日本のように首相に国会の解散権がない英国では、議会の3分の2の賛成がなければ総選挙はできない。合意なき離脱を法的に保証する法案が成立すれば、総選挙に向かう可能性が残されているが、EU離脱をめぐる政治の混乱は極致に達した観がある。
合意なき離脱が実現すれば、英国経済に多大な影響が及ぶことは言うまでもない。さまざまな経済予測がすでに発表されている。それらを総括した独立系シンクタンク「インスティチュート・フォー・ガバメント」のリポートによれば、マイナスの影響が続くことを予測する結果が圧倒的に多い。
ただし、その程度には大きな幅がある。未来予測につきものの、どのような条件を設定し、どのような指標を基に予測するか、その前提がまちまちだという。国内政治ではどうにもならない国際環境の変化を含め、不確実性の幅が大きすぎ、専門家の間でも推計に大幅な違いが出るのである。
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