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「自由な発想で研究開発の生産性を上げる」 安川健司 アステラス製薬 社長 CEO

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やすかわ・けんじ 1960年生まれ。86年東京大学大学院修了後、山之内製薬(現アステラス製薬)入社。主に臨床試験などを扱う開発業務に従事。2010年に執行役員就任。12年からは経営戦略を担当、18年4月から現職。(撮影:今井康一)
製薬業界では大型M&A(合併・買収)が続出、国内首位の武田薬品工業もシャイアー買収を断行した。新薬開発競争も激化する中、国内2位のアステラス製薬は、どう立ち向かうのか。安川健司社長に聞いた。

──M&Aをどう考えていますか。

買収では株価に3割、5割の上乗せとなる。大企業の買収でこれを上回るシナジーは困難だ。当社では「このピースがそろえば自分たちのやりたいことができる」というM&Aに焦点を置いている。

やりたい分野での世界的な第一人者を見つけ、「手伝うから一緒に研究しましょう」と声をかけ、複数の研究アセットが育ったら会社を買う、といった仕込みはここ数年やっている。がん免疫の米ポテンザやミトコンドリア疾患の米マイトブリッジなどだ。

──巨大製薬企業の数千億円規模のものと比べると投資額が数百億円規模と小さいですね。

開発の早い段階での買収だから金額も他社にさらわれるリスクも小さい。後期だとなぜ誰も手をつけていないのかという疑念がある。

──研究開発(R&D)のモデルを大きく変えたのはなぜですか。

従来は研究開発の出口を泌尿器、免疫などの領域に絞っていた。だが研究者の発想が制約され、R&Dの生産性が落ちてしまった。2011年に10年後の会社の姿を当時の経営陣に答申したがミゼラブル(惨め)だった。開発パイプラインは偏り、免疫抑制剤では失敗が続いていたので、危機感を覚えた。

それで新しい方式を入れ始めた。疾患の原因となる標的に対し低分子のみならず、抗体、細胞治療、遺伝子治療など最適の技術を使って取り組む「フォーカスエリア」アプローチだ。入り口を広げ自由な発想をすることで成果も出てきたので18年発表の中期経営計画ではこのモデルを大々的に掲げた。

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