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ネット報道と「トライバリズム」 米英でまかり通るフェイクニュースによる扇動

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(Rawpixel / PIXTA)

英国は3月29日にEU(欧州連合)を離脱するはずだったが、10月末まで猶予された。メイ首相の奮闘もむなしく英国下院でEUとの離脱協定案を可決できていない。秩序立った離脱ができるのか、先行きは依然不透明だ。

そもそも離脱の影響や道筋について、事実に基づく議論や説明が不足したまま国民投票で離脱を決めてしまったため、国民も政治家もどう決着させたらよいのかわからなくなってしまったようだ。

思い起こせば、2016年には6月の英国の国民投票と11月の米国の大統領選挙があり、いずれの結果も従来の世論調査とは異なるサプライズとなった。その後の調査や報道によって、英国の離脱キャンペーンの担い手や米国のトランプ陣営の選挙参謀が、SNS(交流サイト)を駆使した情報発信によって浮動票を取り込んだ手法が明らかになった。最も民主的とされる2つの国で、フェイクニュースによる扇動がまかり通っていた。フェイスブックの個人情報流出問題に絡んで情報の不正取得が疑われた選挙コンサルティング会社が両方の案件に関わっていた。

英国に「押し寄せる」とされる難民の数や英国がEUに拠出している分担金をめぐって虚偽の数字が示されていた。米国大統領選挙では、クリントン候補を誹謗中傷するフェイクニュースがSNSを通じて多数拡散された。トランプ大統領就任後は、報道官による虚偽の説明を大統領顧問が「オルタナティブファクト(もう一つの事実)」と強弁して話題となった。

フェイクでなくても操れる

こうした明らかなフェイクニュースの例だけを取れば、それに動かされるのは、リテラシーの低い人たちだけだと思いがちだ。

しかし、近年、ヒトラー以来のおなじみの扇動術がネット上を跋扈(ばっこ)していることに注意が必要だ。

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