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不法移民の急増を招いたトランプ政策の矛盾 専門家の意見に耳を傾けず状況を悪くする

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来年の大統領選に向け、移民政策の強化など保守派へのアピールを強めている(AP/アフロ)

テレビの司会者時代からのトランプ大統領のお家芸「おまえはクビだ」(You’re fired)が、久しぶりに飛び出した。犠牲者はキルステン・ニールセン国土安全保障省(DHS)長官、クレア・グレイディ副長官代行ならびに、DHS傘下の大統領シークレットサービスの責任者のランドルフ・アレス長官らだ。

もともとニールセン長官とアレス長官の解任は、時間の問題であった。大統領の信頼を失い、昨年末に退任した元国土安全保障省長官、ジョン・ケリー前大統領首席補佐官に近い人脈だったためだ。

4月7日に発表された「粛清」の引き金になったのは、メキシコ国境からの不法移民の急増だ。米税関・国境取締局によると、メキシコ国境で拘束された不法移民の数は2月が6万6450人で、3月が9万9627人だった。2月、3月ともに単月で見ると過去10年で最多を記録した。

「キャラバン」と呼ばれる中米からの移民集団が相次いでいるため、トランプ大統領は野党からの批判を受けながらも米軍をメキシコ国境に派遣し、壁建設も強硬に主張してきた。しかし移民の増加を見るかぎり、現状ではまったく軍投入の実効性が上がっていないことが明らかとなり、そのいら立ちが大規模な人事交代となった。

トランプ大統領の反移民政策は、同性婚容認などのリベラルな政策に不満を持つ保守層に訴える政策だけに、再選が懸かる来年の大統領選挙を前に、テコ入れせざるをえない事情もある。

強硬な政策で悪循環

トランプ大統領の政策を阻んでいるのは、彼がクビにした高官たちの責任だけではない。米国の三権分立もその1つだ。

サンフランシスコの連邦地方裁判所は4月8日、「難民申請者をメキシコに送還する」というトランプ政権の政策を認めない仮命令を出した。これまで米国に不法入国した難民申請者は数カ月から数年かかる審査の間、米国内に滞在することができた。しかしトランプ政権は今年1月から、国内施設の収容が限界だとして入国を拒否しようとしてきた。だが、裁判所はこれにノーを突きつけた。サラ・サンダース大統領報道官はこの決定に対して、連邦地裁を「リベラル活動家」と呼んでツイッター上で批判している。

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