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ライフ #人が集まる街 逃げる街

次の発展を模索する工業都市 福山市[広島県]

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

広島県福山市は同県東部にある人口46万人の中核市だ。県北部を源流として瀬戸内海に注ぐ芦田川流域に広がるデルタ地帯にある。広大な干潟だったこの地区は江戸時代に福山藩により干拓が行われ、今の街が形成された。

福山市は東端が岡山県に接しており、県庁所在地である広島市とは100キロメートルも離れている。そのため独自の経済圏を確立しており、備後都市圏の中心都市として栄えている。

この街の特徴は多くの企業が集積していることだ。JFEスチールの西日本製鉄所は、旧日本鋼管時代からの基幹製鉄所であり、今でも日本有数の粗鋼生産量を誇る。三菱電機の分電盤やブレーカーなどの電子部品、シャープの電子デバイスなど、日本を代表する企業の製造部門が置かれている。

全国的な大企業のみならず、この街を発祥の地とする有名企業も多い。造船大手の常石造船を傘下に置くツネイシホールディングス、物流大手の福山通運、ホテル・マンション運営のベッセルホテル開発、紳士服の青山商事などは、この街に本拠を置く有名企業だ。

また福山市は日本有数のデニム生地の産地だ。江戸時代から綿の栽培が盛んで紡績、染色、織布、加工などの技術に優れ、江戸時代後期には日本3大絣(かすり)と呼ばれた「備後絣」を生み出した。こうした技術が「福山デニム」というブランドに進化している。

だが、多くの地方都市で問題となっている中心市街地の衰退は福山市でも同様だ。市中心部の商業施設「福山ビブレ」が1999年に閉店。「福山そごう」も開店からわずか8年後の2000年に閉店。「ダイエー福山店」も05年に閉店と、大型商業施設の撤退が相次いだ。市では中心部の衰退を食い止めるべく、福山そごうの跡地を買い取り、03年に天満屋ストア系列の専門店ビル「福山ロッツ(現・リムふくやま)」をオープンさせるなど、懸命に街のにぎわいを維持しようとしてきた。

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