福島県郡山市は県中部の安積(あさか)平野に位置する人口32万4000人の中核市だ。市域は757平方キロメートルと広く、西端は国内4番目の広さを誇る猪苗代湖に面し、東端は阿武隈(あぶくま)山地、北端は安達太良(あだたら)山に接している。
この街の特色は交通利便性のよさだ。JRの東北新幹線、東北本線のほか、東北自動車道、国道4号が南北を貫く。また磐越西線、磐越東線、磐越自動車道、国道49号が東西を横断しており、南東方面へはJR水郡線が走る。これらにより郡山は仙台、会津若松、新潟、いわき、水戸といった主要都市にアクセスできる「交通の十字路」となっている。
交通以外のインフラ機能も整っている。明治時代には猪苗代湖から水を取る安積疏水が開発された。それにより、かつて水利が悪い丘陵地帯だった安積平野に農業、工業、飲料のための用水が供給され、発電に資することになった。
その結果、郡山市は県庁所在地こそ福島市に譲るが、県内の経済、工業、商業、物流の中心地として栄えてきた。一方で交通の便利さによって外部からさまざまな人々が入り込み、一時は反社会的勢力が街を跋扈(ばっこ)し、「東北のシカゴ」というありがたくないネームを頂戴したこともあった。
この街に新風を吹き込んできたのが音楽だ。1954年、NHK交響楽団による郡山で初の本格的なオーケストラの演奏会が実現。当時、大規模な会場がない中、国鉄郡山工場の大食堂を会場とするなどの苦労が結実した。64年には市民が街頭で合唱する「10万人コーラス運動」が始まり、65年には「20万人コーラス」の市民パレードも実現した。一連の経緯は『百万人の大合唱』という映画にもなった。
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