千葉県北西部にある柏市は、人口42万4000人を擁する、首都圏でも屈指の中核都市である。市北部には利根川が流れ、東部では手賀沼に接している。
この街は東京に通勤する人が住むベッドタウンとして発展してきた。東京から常磐方面につながるJR常磐線が市の中心部を貫いており、上野東京ラインを使えば柏駅から東京駅へ40分弱でアクセスできる。東京駅への所要時間はさいたま市の大宮駅とほぼ同じである。
本連載第66回の「大宮区」で紹介したように、大宮駅はあらゆる商業機能が集積し、最近では「さいたまスーパーアリーナ」や「埼玉スタジアム」での文化、スポーツ関連需要を取り込んで発展している。一方の柏駅は、東京駅への所要時間こそ大宮駅と近いが、最近話題に上ることは少ない。
大宮駅は東口に「大宮タカシマヤ」、西口に「そごう大宮店」があり、駅舎上には全国屈指の売り上げを誇る「ルミネ大宮」や「エキュート大宮」がある。一方の柏駅は西口に「柏タカシマヤ」があるが、東口にあった「そごう柏店」は2016年に閉店した。同店は1973年にオープン、最盛期の91年には売上高590億円を記録したが、16年には売上高がわずか115億円にまで落ち込んでいた。また柏駅にはJR関連の大型商業施設も存在しない。
大宮駅との差の原因は、東京のベッドタウンとしての機能低下と新たな需要を呼び込む仕掛けの不在である。常磐線沿線にはかつて、千葉県松戸市から柏市を経て茨城県取手市付近に至るまで、東京に通勤するサラリーマンのベッドタウンが続々誕生した。増加し続けた首都圏人口の受け皿としての機能を果たしてきたといえる。
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