来年10月の消費税率10%への引き上げを前に、増税分をポイントで還元したり、商品券を配布したりしようという案が検討されている。これに対して、立憲民主党の枝野幸男代表は10月29日の衆議院本会議の代表質問で、「こんな愚策を考えているのか」と批判した。この枝野氏の意見は正しい。
ポイント還元では、クレジットカードなど現金以外で買い物した消費者に一定期間ポイントを付与することが検討されている。一方のプレミアム商品券は、購入額以上に買い物ができる商品券を低所得者に発行するものになるようだ。なぜこれらの政策は愚策なのか。主な理由は二つある。
第一に、政策の必要性が疑問だ。増税後の消費低迷を招く要因の一つとなるのが、駆け込み需要とその反動である。ただしこれは家計自らが判断して、所与の条件下で利益の最大化を図る結果なのだから、政策的対応は不必要だ。
ところが、ポイント還元や商品券配布はまさに、駆け込み需要による反動減を小さくする政策だと考えられる。増税の影響が出るタイミングをのばすことで、駆け込みとその反動を分散し影響を小さくしようとの目算があるのだろう。
消費低迷を招くもう一つの要因が、家計の実質可処分所得の減少である。今回は軽減税率の導入などがあるとはいえ、増税で物価が上昇すると実質所得は減少する。
いずれにせよ政策効果が切れたとき、実質所得の減少は必ず表れる。要するにこれらの政策は、そもそも必要ないということである。
第二に、その政策の効果も疑問だ。これについては、軽減税率の政策効果を頭に入れておく必要がある。食料品などへの軽減税率は、低所得者向けの政策と位置づけられているが、実際は高所得者のほうが食料品などの購入金額は大きく受ける恩恵も大きい。
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