昨年1年間のドル円相場は1ドル=107.32〜118.60円のレンジで推移し、1年間の変動率は9.6%と10%以下にとどまった。1980年以降、ドル円相場の年間変動率が10%以下にとどまったのは、これまで83年、2006年、15年の3回しかなく、17年は4回目を記録した。
今年は今までのところ、ドル円相場は104.56〜113.40円の8%程度のレンジ内での動きにとどまっている。このまま年末までこのレンジを抜けなければ、80年以降で最小変動幅、かつ初の2年連続10%以下の変動率となる。
今年は地政学的リスクの高まりなどを要因として、昨年に比べるとそれなりに市場は不安定となり、ボラティリティも上昇したが、円の上昇は今のところ限定的だ。そうした状況を背景に、最近、「円は今でもファンディング(調達=売り)通貨としての機能を維持しているのか」との質問を受けることが多い。
そもそも、いわゆる“リスクオン”のときの典型的な為替相場の動きとして、資金の出どころである円やドルは弱くなる傾向がある。これは日本も米国も投資家の保有する資金が多く、投資家がリスクを取ろうとする姿勢が強まった場合に、国境を越える投資が活発となり、両国の通貨は売られやすくなるためと考えられる。
また、円の場合には特に金利が低いこともあって、海外の投資家がファンディング通貨として金利の低い円を売って、高金利通貨を買うという取引、いわゆるキャリートレードを行うこともある。その結果、リスクオンの際には弱いドルよりも円のほうがさらに弱くなることが多い。したがって、ドル円相場は上昇する。
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