日本の物価上昇率は0.7%(5月、生鮮食品を除く)と、日本銀行が目標とする2%はおろか、1〜3月より一段後退した。一方、米国と欧州は物価上昇率が足元で上振れし、中央銀行が着々と金融緩和の出口に向かうかに見えるが、話はそう単純でもない。
FRB(米国連邦準備制度理事会)は、6月に続き年内にあと2回の利上げを行う見込みだ。米国の金融政策を決定するFOMC(米国連邦公開市場委員会)メンバーの見通しはほぼ一致する。利上げすれば、2018年末の政策金利の想定は2.25〜2.5%となり、景気を熱しも冷やしもしない中立金利の水準にほぼ到達する。
となると焦点は19年だ。FOMCメンバーの多くは同年にも2回の利上げを行う見通しを示し、金融政策はいよいよ引き締め局面に入る。一方、インフレ率は18〜20年にわたり2.1%を継続できると見通す。だが、潜在成長率を上回る状態が続き、失業率が3.8%(5月)にまで下がる現状でも、賃金の上昇は依然として鈍い。4月のインフレ率は瞬間風速的にようやく目標の2%に達した程度だ。
みずほ総合研究所の小野亮・主席エコノミストは「足元では財政政策で景気を押し上げている。その効果がなくなるのに、2%のインフレ率を維持できるのか、疑問だ。利上げをする必要は年末以降、なくなってくる」と話す。FRBのパウエル議長は「インフレ率が2%を下回らないことが極めて重要だ」と述べており、先行きにはそれほど自信がないとも見受けられる。
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