世界の電力関連メーカーの発電機器事業、とりわけ主力の火力発電にかかわる事業が苦境に陥っている。
昨年11月、独シーメンスが火力発電機器部門を中心に世界中で6900人の削減を発表。12月には米ゼネラル・エレクトリック(GE)も電力部門で1万2000人の削減を打ち出した。
世界の発電電力量を見ると、火力が3分の2(石炭39%、ガス23%、石油4%)と圧倒的だ(国際エネルギー機関の「2017年世界統計」)。しかし、投資額では太陽光や風力を中心とする再生可能エネルギー(再エネ)での発電向けが、火力を含む従来型エネルギーによる発電向けを上回っている。
投資の再エネへのシフトははっきりしている。その背景には、環境問題と技術革新がある。
火力発電の主流は石炭だった。資源として確保しやすいうえ、石油や天然ガスに比べて価格も安い。だが、地球温暖化の主犯として逆風が強まり、電力需要が旺盛な新興国でさえ脱石炭が顕著になってきた。
ガス火力の需要が再エネに食われた
GEやシーメンスなど大手メーカーにとって誤算だったのは、火力発電のうち石炭のみならずガスも急速に落ち込んだことだ。
石炭火力発電機器を構成する蒸気タービンやボイラーは、中国や韓国勢も含めプレーヤーが多く、コモディティ化が進展している。対して、高効率の大型ガスタービンは、GE、シーメンス、日本の三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の3社の寡占状態にある。
天然ガス発電は燃料代の高さがネックだったが、米国のシェール革命による供給増もあってコスト抑制が進んだ。また、単位発熱量当たりのCO2排出量は、天然ガスなら石炭の約半分で済む。これらの要因で、石炭火力からガス火力へのシフトが起きると期待された。
だが実際には、発電コストが劇的に低下した再エネにガス火力の需要を食われてしまった。シーメンスによれば、100万キロワット以上の大型ガスタービンの世界需要は年110基程度。対して世界の年間生産能力は400基あるという。
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