山口県東南部の大島郡に周防大島という島がある。瀬戸内海国立公園の一つで、瀬戸内海では淡路島、小豆島に次ぐ3番目に大きな島だ。しかし、その大きさの割に、淡路島や小豆島に比べて全国的な知名度は低い。
面積は約138平方キロメートル。島には600メートル級の山々が連なり平地は少ない。主な産業は瀬戸内海の海の幸に恵まれた漁業、みかんなど柑橘類の栽培、さらに海水浴場や温泉を中心とする観光業だ。
人口は1万7030人(2017年4月時点)。1975年の3万4331人から、この40年強で島の人口は半減した。76年には島にとって悲願だった大島大橋が開通したが、皮肉なことに橋の開通が島からの人口流出を加速させてしまったといえる。
現在、65歳以上の高齢者が総人口に占める高齢化率は52%、16年度の島の出生者数はわずかに43人で、同期間の死亡者数が474人。全国でも有数の高齢化した街である。人口は減少の一途で将来的には街の存続すら危ぶまれる。
人口流出が激しい島内では、空き家の姿も目立つ。総務省の「住宅・土地統計調査」(13年度)によると、島内の空き家数は4840戸で、全住宅数に占める空き家率は約37%。全国平均の約13%を大きく上回る。
独自のCCRC構想
昨年この島を訪ねる機会があった。明るいコバルトブルーの海と、そこに映える島の緑などの豊かな自然が印象的だった。一方で島内を巡る道路沿いには、一見して空き家とわかる老朽化した家屋が目立っていた。
人口減少という難題から将来を悲観的に考えてしまいがちな島であるが、行政組織の周防大島町は至って元気がよい。15年12月、周防大島町は国や県の戦略を受けた町独自の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をいち早く発表。具体的な施策として掲げたもののうち、1.産業振興、2.観光産業の育成、3.地域資源を活用した起業支援および商品の販路拡大、といった施策はどの地方でも見られる内容だったが、これらに加えて4.日本版CCRC(継続ケア付き定年退職者コミュニティ)の周防大島版を立ち上げるといったユニークな施策も打ち出した。これは高齢化という課題をネガティブにとらえず、街の活性化に役立てようという意欲的な取り組みだ。
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