今年も「中国国家安全十大事件(2017年版)」が発表された。
これは国際関係学院研究部主任の李文良教授などが請け負って、毎年行っている調査で、一般の国民が国家安全に関する出来事で、最も気になったテーマが何であったかを順位づけしたものだ。
もし、日本で同じ調査を行えば結果は間違いなく朝鮮半島情勢──金正恩(キムジョンウン)の核・ミサイル開発や文在寅(ムンジェイン)の大統領就任など──になったことだろう。
では、中国人の気になった国家安全関連の出来事の第1位は何だったのか。答えは、「在韓米軍によるTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)の韓国への配備」であった。
では、第2位が北朝鮮関連なのかといえば、これもそうではない。国境で軍同士が対峙したインドとの国境問題だった。
ちなみに第3位は中国共産党第19期全国代表大会の開催、第4位は習近平が主催した国家安全工作座談会、第5位は「一帯一路」国際協力サミット、第6位は初の国産空母の進水、第7位はコンピュータウイルスのランサムウェアによる攻撃、第8位は中国の「アジア太平洋協力政策」白書の発表、第9位は習近平・トランプ会談、第10位は北京の紅黄藍幼稚園で起きた虐待事件という並びなのだ。
米中密約も難民流入も現実的ではない
16年の同じ調査の第1位が南シナ海の仲裁裁判の裁定であったという素直な反応と比べると、はるかに予想に反する結果だったと言わざるをえない。
何とも興味深い結果というか、朝鮮半島に対する危機感が日本と中国でまったく共有されていないことがよくわかるのである。
昨年は、中朝国境沿いに中国が難民キャンプを設営していて、米中間では米国の北朝鮮攻撃を中国が容認する密約ができているという話にまで報道が広がり、驚かされた。
こうした話を北京で確認してみると、外交に通じた国務院OBは苦笑いしながら、「中国は相変わらず朝鮮半島で戦争が起きることに絶対にNOですよ。当たり前でしょう」と語るのだ。
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