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朝鮮半島の南北が、急速に接近している。目下、北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪参加以外、何か具体的な成果があったように思えない。とはいえ、まったくの断交状態だった従前からすれば、急転換ではある。
小欄第56回にて、平昌五輪の開催が危うい趣旨のことを書いて脱稿したとたん、北朝鮮の参加表明と米国の合同軍事演習の延期が決まったものだから、いささか慌てた。時事の追跡・現状の分析は、往々にしてこの種のことがあるから怖い。
手持ちの情報はいつも少なく、断片的である。洞察力も乏しい浅学菲才(ひさい)の身、表面的な理解で倉卒に文章を綴(つづ)るものだから、局面が急転して論旨と齟齬(そご)をきたすと、このように周章狼狽、とてもみっともない。物事を知るに、ある程度の時間を求めるのは、どうやら歴史家の習癖のようでもある。
五輪参加表明は大変化
南北の企図はそれでも、わからなくはない。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の年頭の演説には、とにかく驚いた。これまでまったく韓国を相手にしてこなかっただけに、突然の五輪への言及と参加表明は、大きな変化だといってよい。何も知らない筆者でも、北朝鮮が相当に困った内情になっているのだろうと想像がつくので、各国政府の当局なら、いよいよそのあたりの理解はたやすかったはずである。
今回の推移はそう考えれば、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権がいかに親北的か、あらためて白日の下にさらす結果であった。打てば響くように、北朝鮮の申し出を歓迎したばかりか、間髪を容(い)れずに、米国に合同軍事演習の延期を申し入れたからである。
核・ミサイル開発にひた走っていた北朝鮮がようやく困ってきた。その帰趨をじっくり見定めるのが、日米の立場であろう。同じ脅威に直面しているはずの文政権は、しかしそうしなかった。
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