10代の女性が上半身裸で目の前に座っている。ここはナミビア北西部の少数民族ヒンバ族の村だ。
今やアフリカでもほとんどの民族が西洋的な服装だ。こうした中、ヒンバ族は数千年前と同じ伝統的な暮らしを続けている。赤石を削った粉と牛の脂で肌や髪を塗り固めた姿は「世界でいちばん美しい民族」ともいわれる。
「少数民族に正直興味はないが、橋賀ちゃんが行くというならええで」というH氏と2人、この村を訪れたのは今年5月の連休だ。
ヒンバ族の村を訪れるためには、近郊の町でガイドを探し、村の首長へ渡すトウモロコシの粉や砂糖などの手土産を買うプロセスが原則必要だ。だが今回は直接村に向かい、入り口で入場料を支払えば、ガイドが案内してくれる。
村に入ると、上半身裸の女性が5人ほど伝統的な衣装を身に着けてくつろいでいる。その姿はあまりにも自然で、性的な要素は皆無だ。羞恥心がないところにエロチシズムは存在しないことがよく理解できた。村の中心ではヒンバ族の女性が車座になり、ドイツ人団体観光客相手の土産物売りにいそしんでいる。
数十人の村人はすべてが女性か子どもだ。ガイドによれば、男性は出稼ぎに出ているという。ヒンバ族は一夫多妻制で、この村の首長にも3人の妻がいる。
牛糞で塗り固めた家の中をのぞかせてもらう。4畳半程度の家の中で、少女が香木をたき、消臭する実演をややけだるそうに行ってくれた。一生風呂に入らないことで知られるヒンバ族。乾燥しているからにおうことはないというが、部位によってはそうでもないらしい。電気はなく家の中は暗い。入り口越しに、ドイツ人観光客が熱心に買い物し撮影に没頭する姿をヒンバ族の目線で観察できる。
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