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周辺国が中国に持つ幻想の危うさ 意味深長なトランプの演出

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

INDEX

去る4月のはじめ、米国フロリダ州パームビーチでトランプ大統領と中国の習近平国家主席の会談が2日間にわたって行われた。注目をあつめた会談だったけれども、その成果はごく内輪に見積もるべきだろう。大統領の当選以来、経済にしても外交にしても、ほとんど真っ向から対立してきた両国だから、まともに会談を開いただけでも、それなりの成果だったとみなしてよい。

もっとも、そう悠長に構えていられるほど、世界情勢は安穏ではない。シリアの内戦では化学兵器の使用が明るみに出、米軍もついにシリア政府軍の施設に攻撃を加えた。

意味深長なトランプの演出

米中首脳会談の最中だったのである。習近平との会食中、側近が事態を耳打ちで伝えに来るなど、ことさら演出したとしか思えない。

この場合、相手はシリアのアサド政権、またその後ろ盾のロシアにほかならない。だが会談中に芝居がかった演出をほどこしたのは、それだけにとどまらず、中国に対する意思表示でもあったことを意味する。

ティラーソン国務長官も北朝鮮の脅威に「対抗措置をとる可能性」に言及し、「行動が必要な段階に達した」と明言した。つまりは金正恩(キムジョンウン)政権とそのバックにいるはずの中国とをシリア・ロシアに擬して、シリアでの行動を東アジアにも適用する可能性を示したというわけである。

しかし米国の姿勢・行動が一変したとも思えない。国務長官・大統領とも他方で、中国に対する期待感を表明している。むしろ習近平に直接はたらきかけたことで、いっそうの関与を見込めると判断した、というほうが事実に近いのではないか。

中国国営の新華社通信は、米中首脳会談に対する公式報道で、北朝鮮に言及していない。中国も20年前から、北朝鮮の核開発には反対の意を表してきた。今回の首脳会談でもその点は、米国と一致している。問題は両者の温度差であって、中国はどうも主体的に動こうとはしない。その事情を関係国が読み切れないことが、目前の事態を招いているともいえようか。

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