INDEX
米国のペンス副大統領が4月15日から19日、韓国と日本を歴訪している。その役回りは故・金日成(キムイルソン)主席の生誕日を記念して脅威を高める北朝鮮に対し、強硬姿勢を鮮明にして、同盟国の日韓を防衛する意思を明確に示すことにあった。
だからといって、すぐ軍事力の行使につながるわけではない。そのリスクはおそらく誰よりも、米国が自覚している。ペンスも19日、神奈川県横須賀市の米軍基地で米国の「全戦力で日本を防衛する」といいながら、北朝鮮には米国の「軍事力を試すべきではない」とのメッセージを出した。決して戦争は望んでいないのである。
そこで米国が頼みにするのが中国であり、にわかに秋波を送りはじめた。トランプ大統領は4月初め、習近平国家主席との首脳会談からいわゆる中国の「影響力」を北朝鮮に行使させようとしている。
軽率な「ディール」
中国の「為替操作国」指定や韓国への「地上配備型ミサイル迎撃システム」(THAAD)配備の先送りを示唆したのも、そうした事例に数えてよい。米FOXニュースが4月18日に放映したインタビューで、大統領は「態度が変わったのは自分ではなく中国だ」と発言、中国への評価の転換を認めた。なりふり構わない観さえある。
トランプという人はビジネスマンなので、計算高いのは確かだろう。前述の言動も、中国の行動を引き出す「ディール」の一環なのかもしれない。しかしそこには、軽率な印象がつきまとう。
その典型が、18日付ウォールストリート・ジャーナルのインタビュー。トランプは12日、首脳会談における習近平の発言を引き、かつて「韓国は実に中国の一部だった」と述べたという。この報道が韓国に伝わるや、大きな衝撃を受けた韓国政府当局者は、「一考の価値もない」と強く反撥するコメントを出さざるをえなかった。
この記事は有料会員限定です
残り 600文字
