[父]インターネット通販の荷物が増えすぎて、宅配の現場がパンク寸前らしいぞ。
[息子]何でもかんでもネット注文しているから責任を感じちゃうな。
アマゾンをはじめとしたインターネット通販が急拡大している。ネット通販の市場規模は13.8兆円と、5年間で1.8倍になった。それに伴って宅配便の個数も増加の一途をたどっている。だが宅配業者はその取り扱いに頭を悩ませており、素直に喜べないのが実情だ。
宅配最大手ヤマト運輸のある営業所では、ネット通販の増加を受けて、この3年で取扱個数が2割増加した。そして現在、荷物の4割をネット通販が占めているという。
ネット通販の荷物は小型のものが多い。宅配便は荷物の大きさで料金が設定されるため、単価は安くなる。さらに、大口のネット通販事業者に対しては通常より割り引いた運賃が適用されるケースも多い。単価が安くても、発送翌日または当日に配達するサービスは維持しているため、採算は徐々に下がっている。図は国内の宅配便個数とヤマトの宅配便単価の推移だ。総量が増えているのに対して、単価は下落している。

ネット通販の悪影響はほかにもある。利用者は日中に外出していることが多いため、再配達になる割合が高い。再配達が増えればその分、宅配ドライバーの労働時間は長くなる。荷物が増大し再配達が増え、現場の人手不足は深刻化している。
労働環境の改善に着手、9月までに値上げへ
各社は対応するために宅配ドライバーを増やそうとしているが、労働力不足の中で「労働時間が長く、給料は他業界に比べて安い。応募をかけても見向きもされない」(宅配事業者)。厚生労働省の調査によると、宅配ドライバーや幹線輸送のトラックドライバーなど道路貨物運送業の平均月間労働時間は全産業平均より42時間多い。一方で月給は1万2000円少ない。
この記事は有料会員限定です
残り 556文字
