日本銀行が市場との対話姿勢で揺れている。毎月末に公表している国債買い入れオペの運営方針を、3月分から変更したのだ。
これまでは、国債の年限ごとに買い入れ1回当たりのオファー金額のレンジと初回のオファー金額、オファー回数を示してきた。3月分は、1回当たりのオファー金額のレンジと具体的な買い入れ日程を提示する方法に改めた。
これには伏線があった。1月に日銀が中期ゾーンのオペをスキップしたことで、購入回数が市場予想を下回った。これにより、市場では需給悪化の思惑が台頭し、金利が上昇(債券価格は下落)。2月上旬には長期金利が一時0.15%まで上昇したため、抜かずの宝刀だった指し値オペの発動に踏み切った。
こうした経緯で市場に広がった日銀への不信感を払拭すべく、オペ回数の公表に踏み切ったというわけだ。野村証券の多田涼子・債券アナリストは「回数については公表内容を下回る懸念がなくなり、投資家もポジションを取りやすくなった。金利は安定しやすくなる」と見る。
ただし日程明示の一方で、これまで公表していた毎月の買い入れ総額のレンジは非公表となった。SMBC日興証券の竹山聡一・金利ストラテジストは「日程も総額も公表してしまうと政策の柔軟性がなくなる。フリーハンドの部分を残したかったのだろう」と分析。そのうえで、「日程を示しただけで日銀への信頼が完全に回復するわけではない。あくまでも金額と増減要因が問題だ」と指摘する。
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