三井住友トラスト・ホールディングス(TH)が揺れている。2月14日に発表されたトップ人事(4月1日付)は、金融庁が経営の見直しを求める中で一カ月近く遅れて決まった。
金融庁が問題視した点は二つある。
まず、ガバナンスの問題だ。実力者である常陰均氏は旧住友信託銀行時代を含めて9年間トップに座り、その影響力が注目されていた。
決まった人事は、北村邦太郎社長の後任に大久保哲夫副社長、傘下の三井住友信託銀行は常陰社長の後任に橋本勝副社長が就くというもの。「満額回答」かはともかく、金融庁の意向に沿った形だ。
さらに、社外取締役による監督が強化される指名委員会等設置会社への6月移行を決定。三井住友THの取締役会議長にはJXホールディングス前社長の松下功夫相談役が内定した。利益相反委員会とリスク委員会も任意で設置、社外の専門委員を招聘する。
常陰氏は北村氏とともに三井住友信託銀行の共同会長となるが、「業務執行としての意思決定には2人とも関係しない」(常陰氏)と言う。
くすぶる利益相反懸念
金融庁が懸念を示したもう一つの点は、専業信託銀行でありながら商業銀行部門の拡大へなりふりかまわぬ姿勢が見られること。
住宅ローン金利の低さはつねに市場で一、二を争い、その残高は過去5年で国内銀行平均14%増に対し、約4割増(図表1)。個人向けの投資信託・保険販売や海外の法人向け融資も大幅に増加させてきた。
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