今から10年ほど前、1998年に日本IBMでは女性能力活用のための「ウィメンズカウンシル」をスタートした。その当時、日本IBMには女性の取締役が私1人で、理事はゼロ、部長は1人か2人だった。それが今は、執行役員4人、理事5人、部長はゆうに100人を超えている。変わったのは、管理職の人数だけではない。何よりも、会社の風土が大きく変わった。女性がリーダーシップを取ることが珍しいことではなくなった。過去10年で日本IBMが経験したような変化が、これから急速に日本企業でも起こる。
「今でもそれなりにうまく回っている。なぜ、女性活用をあえて強調する必要があるのか」と反発する経営者も多いだろう。しかし、否応なく変わらざるをえなくなる。なぜなら外圧があるから。海外の多くの企業が女性を積極的に活用しているのには、理由がある。多様な働き方を認めない会社は、問題のある会社というレッテルを貼られ、優秀な社員が集まらなくなるからだ。
男性社員も恩恵
女性が働きにくい典型的な会社は、たとえば育児で1年間休職してしまえば、復帰しても出世の道を断たれてしまうような会社。こういう会社は、多様なワーク・ライフ・バランスを認めていないということであり、男性も休みを取りにくい。多様な働き方を認めてくれないわけで、男性にとっても働きにくい会社だ。グローバル経済の中で優秀な人材を集めていくためには、日本の企業も多様な働き方を認める必要がある。10年後には、大企業の取締役や管理職に複数の女性がいることは、珍しいことではなくなるだろう。
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