「3年前からマーケットの様相が大きく変わり、今年に入ってさらに状況が読みづらくなった」。足掛け15年にわたって国債トレーディング業務に携わってきた、野村証券の野々村茂マネージング・ディレクターは困惑ぎみに話す。
国債市場関係者にとって目下の頭痛の種は、かつてないほどの流動性の低下だ。財務省などの資料によると、足元の日本国債の回転率(取引高÷発行残高)は2%割れの水準まで下がっている。きっかけは、言うまでもなく日本銀行の異次元緩和だ。状況に改善の兆しはなく、国内の金融機関を対象に日銀がまとめた「債券市場サーベイ」でも、「意図した価格や取引ロットで売買できなかった」という回答が月を追うごとに増加している。

流動性が低下したことにより、何かのきっかけで市場参加者の意識が一方向に振れると、国債相場も大きく変動してしまうケースが増えた。7月29日の日銀の金融政策決定会合で国債の買い入れ増が見送られると、長期金利が0.2%程度、一気に上昇した(国債価格は下落)。
得られる金利収入は少ないが、売買したいときに売買でき、満期まで保有すれば元本も保証されるため、長きにわたって「安全資産」とされてきた日本国債。だが今や、ハイリスク・ローリターンの金融商品になろうとしている。
市場を去る金融機関 漂う悲観ムード
この3年で国債の保有者は大きく変わった。2013年3月末時点では、日本国債の保有比率は銀行が42.3%と半分近くを占めていた。ところが16年3月末には、銀行が25.6%へ減ったのに対し、日銀が33.9%で最大の国債保有者となった(13年3月末は13.2%)。
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