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積極財政論への期待 デフレ脱却に向け高まる

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  • 藤戸 則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資情報部長

バーナンキ前FRB(米国連邦準備制度理事会)議長が来日し、黒田東彦日本銀行総裁と会談を行った。当初は表敬訪問との見方だったが、会談時間が約1時間半に及ぶに至って、マーケットでは「ヘリコプターマネー」の発動かとの期待が高まっていった。

バーナンキ前議長は、ヘリコプターマネー論の生みの親である故ミルトン・フリードマン教授を師と仰ぎ、「デフレ克服のためには、ヘリコプターから紙幣をバラまけばよい」と自らも発言している。「ヘリコプター・ベン」のニックネームを持つ前議長だけに、投資家の思惑が錯綜することになった。

こうした思惑の背景にあるのは、日銀の超緩和策が限界に達し、デフレ脱却の実現が困難になっていることだ。5月のCPI(消費者物価指数・除く生鮮)は前年同月比マイナス0.4%で、物価上昇どころか再びデフレ色が強まりつつある。個人消費、鉱工業生産、設備投資も冴えない統計数値が続いており、日銀の目標である「消費者物価上昇率2%」の実現が危ぶまれる状況だ。

2013年4月の異次元緩和、14年10月の追加緩和では大幅な円安・株高トレンドが継続し、日銀は市場の信認を得ていたと見てよい。だが、昨年12月の「補完措置」で日経平均株価が上昇したのは約30分間、今年1月29日の「マイナス金利導入決定」でも、2営業日で約800円の上昇にすぎなかった。その後、株価の急反落と同時に円高が進行したのはご存じのとおりだ。

つまり、日銀の追加緩和策に、投資家は13〜14年の興奮を抱けなくなってしまったのだ。10年国債利回りが、一時マイナス0.3%まで低下する局面があったが、すでに金利は十分以上に低下しており、一段の低下が設備投資や住宅需要を喚起する効果は低減してしまった。

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