政策的な後押しもありベンチャー界隈(かいわい)がにぎわっている。資金の出し手であるベンチャーキャピタル(VC)は現状をどうとらえているのか。73社の会員を抱える日本ベンチャーキャピタル協会の仮屋薗聡一会長に聞いた。
──「第4次ブーム」と呼ばれるほどの盛り上がりです。
ブームというより、イノベーションの希求や必然性が今回の現象を生んでいるのだと認識している。1999年のネットバブル期や2005〜06年に株価が上昇したときは明らかにブームだった。今回はICT(情報通信技術)のイノベーションが終盤に差しかかり、トレンドも新しいテーマに移っている。
──日本でもベンチャー企業を育む「ベンチャーエコシステム」が形成されつつあるようです。
ベンチャー企業の育成は国家の要請そのものだと認識している。一方、AI(人工知能)やフィンテックなど、イノベーションの種はまかれているが、期待と比べベンチャー企業の数は追いついていない。これは世界的な現象かもしれない。
パソコンからスマートフォンへとプラットフォームが本格移行する過程では、アプリ開発ベンチャーが多く登場した。この当時の起業にはそれほどおカネが必要でなかった。しかし現在はおカネも人も必要だ。学生1人の優れたアイデアだけでは、起業できなくなっている。
AIでは高度なテクノロジーが必要であり、フィンテックだと金融という大きな社会システムを理解しつつガバナンスやコンプライアンス、ビジネスモデルに解体・再構築する必要がある。実態を理解しつつ、既存の利害関係者と融和し、かつイノベーティブでなければいけない。起業は戦略的で、かつ高度な「大人の戦い」だ。同じ起業でもかつてとは中身がそうとう変わっている。
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