2000年4月、開学直後の立命館アジア太平洋大学(APU)で、ある異変が起きていた。
「食べられるものがない!」──。一部の留学生が栄養不足のためか体調を崩して寮に引きこもり、授業に出られないというのだ。
APUでは約6000人の学生の内、半数を外国人留学生が占める。その留学生のおよそ6人に1人、つまり500人ほどがイスラム圏の出身だ。
宗派などで違いはあるが、イスラム教徒は豚肉や酒類など特定の飲食物を口にすることが禁じられている。そんな彼らが安心して飲食できるものをハラル食品と呼ぶが、当時の日本の大学食堂では、ほとんど提供されていなかった。
そこで、APUでは生活協同組合(生協)の職員が留学生への聞き取りを基にハラル対応のメニューを独自に開発。見よう見まねで、食堂での販売を始めた。
「和食も食べてみたい」
食材や調味料に配慮するだけでなく、専用の包丁やまな板、食器などを用意する。洗浄も通常のメニューで使用したものとは分けて行う。メニューは、「和食を食べてみたい」という多くの留学生からの要望に応えるため、唐揚げやサバの塩焼きなども取りそろえた。
15年9月には、より安心して利用してもらうことを目指し、日本アジアハラール協会の「ムスリムフレンドリー認証」を取得した。同校生協の磯崎修治・常務理事は、「戒律の厳しさゆえに学食のハラルメニューを控えていた留学生も、認証取得後は利用するようになった」と語る。
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