日本銀行による追加緩和期待が高まっている。世界経済鈍化の影響もあって、7~9月期の実質GDP(国内総生産)成長率がマイナスとなり、2四半期連続のマイナス成長の可能性が高まっていることや、企業のインフレ期待も後退していることが背景だ。
JPモルガンのエコノミストも10月30日の金融政策決定会合で日銀が追加緩和に踏み切り、資産買い入れ額の増加を発表すると予想している。長期国債については、現状の年間80兆円を100兆円に、ETF(上場投資信託)については、年間3兆円を6兆円に増額するのではないかと予想、このほか、買い入れ国債の平均残存期間を現行の7~10年程度から10年に延長することも含まれると見ている。
14年10月との違い
しかし、筆者は今回、日銀が追加緩和を行っても、以下の5つの理由により、これまでの追加緩和のあとのように急速な円安が進行する(図1)ことはないと見ている。
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第一に今回の追加緩和実施はすでに市場に一定程度織り込まれていると見られることだ。特に海外勢の期待は強い。そのため、これまでのようなサプライズを市場に与えるのは難しい。
第二に、日銀による国債買い入れの一段の増加は、国債買い入れ余地に関する議論を再燃させ、早期のテーパリング開始観測を高める可能性がある。ちなみに、当社予想どおり日本国債の買い入れ額が100兆円に拡大されたとすると、日銀はフローベースで入札額の100%を大幅に超える買い入れを行わなければならなくなる。
第三に、2014年10月の緩和の際は、意図的ではなかったにせよ、同日にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のアセット・アロケーション変更が発表されたことが大幅な円安につながった。が、今回は金融政策以外で、円を押し下げる措置が取られる可能性が低い。
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