今年度後半の為替相場はFRB(米国連邦準備制度理事会)の金融政策と中国リスクという2大テーマに左右される展開となろう。
FRBは9月FOMC(米国連邦公開市場委員会)の声明文で、「世界経済および金融動向は経済活動を幾分抑制し、短期的にインフレに一段の下方圧力を加えるだろう」との懸念を示したうえで利上げを見送った。その日の記者会見でイエレン議長は「特に中国および新興国市場に注目している」と述べたほか、ドル高が金融環境の引き締まりや物価押し下げにつながったことを指摘した。また、大半のFOMC参加者が年内1回の利上げを想定していた。
今後の利上げ開始時期を予想するうえでは海外情勢と物価動向が焦点となる。
海外情勢では中国および新興国市場の景気持ち直しや金融市場の安定化が重要で、中でも減速感が強まっている中国の経済指標が注目される。
米国の物価動向も注目される。中国をめぐる懸念が表面化する前から、フィッシャー副議長をはじめとするFRB高官からは、雇用回復にもかかわらず物価低迷が続いていることに対する懸念が表明されていた。実際、米国の失業率は5.1%とFOMCの長期見通しである4.9%をほぼ達成している一方、FRBが重視する物価統計のコアPCEデフレーターは前年比プラス1.3%と2%目標を大幅に下回った状態だ。
中国および新興国の経済に安定化の兆しが見られ、米国の物価加速に対する確信が強まれば、利上げが可能となろう。バークレイズは利上げを来年3月と予想しているが、早期に海外情勢の改善または市場の安定化が見られれば、年内12月の可能性が高まる。
もう一段の元安に
もう一つの焦点は中国情勢そのものだ。8月以降、中国経済に対する懸念から金融市場ではリスク回避の流れが続いており、為替市場では円やユーロが買い戻される展開が目立つ。
この記事は有料会員限定です
残り 704文字

