日本郵政の100%子会社・日本郵便は労働裁判を多く抱えている。「青葉郵便局雇い止め・解雇撤回裁判」「銀座郵便局再雇用拒否撤回裁判」「福山郵便局セクハラ・パワハラ裁判」──中でも労働契約法20条裁判は、潜在的に大きな訴訟リスクとなりそうな案件だ。
日本郵便を訴えているのは、11人の時給制契約社員と1人の月給制契約社員の計12人。雇用契約が非正規雇用である以外に理由が見当たらないとして、手当面での期間雇用社員への差別の撤廃を求めている。提訴は地位確認請求。正社員と同じ仕事をしている以上、同じ手当をもらう地位にあることを確認する訴訟だ。
たとえば、集配・集荷は正社員と非正規雇用の者が混在して作業しているが、2輪車で集配・集荷をすると、正社員には最低1日1090円が支給されるのに、非正規労働者にはない。年末年始の繁忙期には、正社員なら年末年始勤務手当があるが、非正規労働者はない(図表1)。
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2013年4月に施行された改正労働契約法20条は、非正規雇用だという以外に理由がない場合、労働条件が「不合理とみとめられるものであってはならない」とする法律だ。
20条裁判は東京地方裁判所と大阪地方裁判所でほぼ同時に進められている。原告弁護団には森博行氏、棗一郎氏、水口洋介氏ら労働専門の弁護士が名を連ねる。被告弁護は東西とも大手の森・濱田松本法律事務所が受任した。
労契法20条の施行から今までの1人当たりの手当の差額は、原告弁護団によれば、ざっと100万円。原告12人分では1200万円にすぎない。ただ法廷で、「現在の労働契約が不合理」と判断されれば、この労契法20条の法的性格上、ほかの非正規労働者との契約はすべて無効になる。非正規労働者全員が提訴するまでもなく、日本郵便は不合理な点を改善し、契約を新たに結び直さなければならなくなる。
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