秋の気配が感じられ始めたと思ったら、世界の金融資本市場は動きを見せ出した。
ドル円相場は過去25年間、年前半のレンジで一年間を終えたことが一度もない。つまり、年後半に必ず年前半のレンジの上限(ドル高のピーク)か下限(円高のピーク)のどちらかを抜けて、年初来高値か安値のいずれかを更新している。
ドル円相場の一年間のボトムは過去25回中12回、つまり約半分は10~12月期につけている。一方、一年間のピークは25回中8回、12月につけている。つまり、ドル円相場はかなりの確率で10~12月期に年間のボトムかピークをつけていることになる。今年のレンジは今のところ1ドル=115.85円~125.86円となっている。今年10~12月期にどちらかつけるとしたら、どうやらボトムとなる可能性が高くなってきたようだ。
通常、投資家のリスク回避志向が強まる、いわゆるリスクオフの状態となった場合、最も上昇するのは円であった。こうした現象が発生するのは、円が「安全通貨」や「逃避先通貨」だからではなく、逆にその前のリスクオンの際に「低金利通貨売り・高金利通貨買い」が行われ、このときに低金利通貨として円が売られているからである。つまり、すでに円売りポジションが積み上がっているため、その買い戻しが発生するのである。
リスクオフの状態となり、市場のボラティリティが上昇すると、計算上の予想損失額が大きくなるため、投資家はポジションを閉じる必要が出てくる。リスクオフとなった原因がたとえ日本にあったとしても、ポジションを閉じるためには円を買い戻す必要があるのだ。
資本調達通貨の役割
このところ、リスクオフの環境下ではユーロが買われるようになり始めた。これは、ユーロがマイナス金利を導入したこともあって、円を超えて最適な資本調達通貨となっているためであろう。今や円の短期金利は、G10(先進10カ国、1962年にIMF〈国際通貨基金〉の一般借入取極への参加に同意した国々)の中でスイス、スウェーデン、ユーロに次いで下から数えて4番目の低さである。円はすでに資本調達通貨としての魅力をかなり失っているのかもしれない。
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